3時間くらいで考える最近のニュース

日々のニュースについて、見たり聞いたりしたことについて、ちょっと立ち止まって考えてみる日記的なブログです。雑誌よりもポイント絞って、新聞よりも詳し目に。少しきちんと調べることが誰かが何かを理解する役に立てばいいな、と思っています。あんまり深堀してなくても悪しからず!!

エアアジア ~日本参入でもう一段階ステップアップできるか

今日はマレーシアということもあってエアアジアを考えてみます。

マレーシア航空に続いて行方不明の事故になってしまったり、やや逆風の感がありますが、アジアナンバー1のLCC(Low Cost Carrier)です。

日本にはANAと組んで進出しましたが、方針が合わずに撤退、今度は楽天と組んで再参入をするようです(それまでのエアアジアはバニラエアとして運行)。

CEOのトニーフェルナンデスはインド系マレーシア人で、破綻したエアアジアを1リンギット(約30円)で買い取って立て直したという強者、マハティールともつながりがあるようです。

そんなエアアジアはグループで見ると業績は以下のようで、最近利益が横ばいです。

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乗客数は伸びているし、稼働率もそんなに変わっていないんですけどね。。

日本ではLCCというと安かろう悪かろうというイメージがあるのですが、欧米ではそんなことはなく、庶民の足として重要な役割を担っていると思います。要するに「至れり尽くせりの飛行機」ではなく「空飛ぶバス」だということで、移動することだけに特化してその代りコストを下げましょうというものです。

基本的なコンセプトは機体を飛ばす本数を増やして稼働率をアップさせ、固定費を削減することに尽きると思います。食事をなくすとかサービス削るとかもありますが、本質的には回転率をどれだけあげられるかですね。飛行機は止まっていても収益生みませんから。

で、エアアジアの場合は空席率もそれほど変化がなく安定していますし、便数を増やして効率を上げていけば自然と収益が上がる形になります。アジアでLCCとしての圧倒的ブランド力も奏功して、営業利益率は20%を超えていました。

最近の利益低下は競争によって一人あたりの売上が下がっているからだという指摘もありますが、全体で見る限りそんな印象は受けません。

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実際のところ、燃料費の割合が増えてきており、それが収益を圧迫しているようです。

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この燃料費をどのようにコントロールするか、これがエアアジアの肝ですね。

一方、楽天と組んで日本に再参入をするエアアジアですが、名古屋を主とするようです。ですが、当然ドル箱は羽田に決まっているので、ここの発着枠をとれるかどうかがエアアジアジャパンのポイントになるでしょう。一方で、既存の航空会社もかなり割安のチケットを出してきていますから、そことの競争および日本市場の特殊性(ANAJALへの信頼)をどこまで打ち崩せるか、そこも見どころです。

今回のまとめ。

  • エアアジアの収益は燃料費がポイント。乗客数は増えていて稼働率も安定。
  • 売上をもう一歩増やすには日本市場への参入は当然。折角楽天と組んだので、楽天のサービスと組み合わせてマイレージならぬ楽天ポイントのメリットを最大限活かしてほしい。

しかしANAJALで食事サービスは選べないものなのかな・・・。いらない人は運賃安くなったり、グレードアップしたい人は料金払ってビジネスの食事になったり、そういう座席指定ができるようになったら空の旅も様変わりすると思うのに。