3時間くらいで考える最近のニュース

日々のニュースについて、見たり聞いたりしたことについて、ちょっと立ち止まって考えてみる日記的なブログです。雑誌よりもポイント絞って、新聞よりも詳し目に。少しきちんと調べることが誰かが何かを理解する役に立てばいいな、と思っています。あんまり深堀してなくても悪しからず!!

マレーシア ~なぜシンガポールと差が開いてしまったのか

引き続きマレーシアに滞在しています。一日歩き回っていると暑い!日本と違って相当暑いです。

下はどこにでもあるセブンイレブン。本当に多いです。

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国産車といわれているプロトン車の割合が想像よりも少ないような。。日本車でいうとトヨタ5割、本田3割、残りがマツダ、スズキ、スバルといったイメージです(@クアラルンプール)。韓国のキア、BMWメルセデスベンツなども多く、多士済々です。

とりあえず一通り観光名所を巡りながら思ったことは、(昨日赤丸急上昇!と書いたにも拘らず)なんでシンガポールに水をあけられてしまったのかな、という疑問でした。観光資源もある、それなりに工業も発展した、でもなーという感じ。

ちなみに下はマレーシアの貿易統計です。

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マレーシアは大前健一さんのアドバイザリーもあって、マルチメディア・ス―パーコリドー構想でICT関連の企業誘致を積極的に進めたかいあって電子製品の割合が高まっています。2020年までに先進国入りするためにも、どんどん進めるぞという所でしょう。

ただ、この企画も90年代後半に作られたもの、今や電子立国エストニアなど、世界はもっと先に進んでいます。このままでいいのかしら。

 1人当たりGDPが高いということは賃金も上がるので、より高付加価値の製品を生んでいかないといけません。そのあたりの人材育成について台湾などは理系優遇(兵役免除)をして上手くやっていますが、マレーシアの教育制度で目立ったものは聞きません。台湾からは世界的な企業、メディアテックとか生まれていますがマレーシアからはエアアジアくらいでしょうか。シンガポールは人がそもそもいないので、必死の人材育成と優秀人材の引き抜きで頑張っています。このあたりがやはり違います。

マレーシアでは多民族国家と華僑系の経済的優位という背景からマレー系優先政策(ブミプトラ政策)が取られている為、政治的にも経済的にもどうしてもいびつさを持っているんでしょう。その政策が現在のグローバル社会においてどこまで許容できるのか、難しい問題だと思います。

私の考えるシンガポールの成功要因は以下です。

  • 経営資源がほぼない中での独立。都市国家という制約条件が特異な戦略型国家を形成した。金融・港湾・観光など、初めから世界の中に自国を位置づけた戦略を採用せざるを得なかった。
  • 唯一の資源である人材育成、人材の引き抜きへの注力。
  • リークアンユーという傑出したリーダーの存在。

個人的にはマハティールも同じくらいビジョナリーな指導者でしたが、歴史的な制約条件、言い換えると国民のわだかまりのようなものが足かせになってシンガポールに比べて成長が遅れてしまったのではないでしょうか。

今後は工業社会というよりもサービスでいくなら尚更、21世紀に合わせた人材排出ができるような教育体制が求められるように思います。とりあえず、ブミプトラ政策廃止!国民の75%を優遇するアファーマティブアクションなど、怠慢と人材流出をまねくだけです。

 

あまりまとまっていませんが、今日はとりあえずここまで。