キユーピー ~とりあえず稼働率上げれば勝てる気がする
今日は恒例の大前先生に挑戦ということで、キユーピーを扱います。
ここしばらく他の食品メーカーに見られない勢いで株価が上昇しているキユーピー、この高値を利用してどうしようかということですが、まずはキユーピーのここ数年の業績推移です。
ここ数年で売上はググッと伸びてきています。海外売上比率は6%弱とまだ低いので基本的に国内での売上です。キユーピーというとマヨネーズというイメージが強いですが、マヨネーズ(調味料)セグメントの売上高は実は1,500億円ほどで、卵、サラダ・惣菜、加工食品、物流などに領域をまたがっており、総合卵メーカーの様相を呈しています。アオハタのジャムなんかも実はキユーピー。利益率は日本の食品メーカーにありがちですが、非常に低いですね。
そんな中、マヨネーズのセグメントに絞って、味の素の国内食品セグメントと比較をしてみました(直近3年間)。
こう見ると、直近でいえば味の素の方が利益率やセグメントのROAのパフォーマンスが良くなってきています。キユーピーはマヨネーズの国内市場でシェア6~7割、国民からの信頼も厚い中でこれはやや残念。もしかすると工場の稼働率が悪いのではなかろうかと推察します。
セブンイレブンへのマヨネーズ出荷量についても07年→08年で味の素に抜かれたという記事がありましたが、マヨネーズ市場のチャンピオンとしては、
- 買えるだけ卵買う→全部作る→全部売る(値段は下がっても良い)
このパターンでシェアを上げれば、固定費が下がって問題なく利益率は上げていけるのではなかろうかと思います(販路もあるし、おいしいから売れるはず)。
海外については販路を持っている現地のディストリビューターをつかまえて売っていくのが王道でしょうし、中国・東南アジアのあまりマヨネーズに馴染みのない国に攻めている現状でよいと思っています。逆に既に大量消費地であるロシアや東欧に売ろうとしても生活調味料であるだけに難しいと思います。
株価とあまりリンクしませんでしたが、今回の提案は以下。
- とりあえず国内の生産体制を見直す。少なくとも営業利益率10%くらいまではいけるはず。買う→作る→売る、で市場シェアをもっと高めるだけ。
- 海外は地道に販路獲得に努める。中国・東南アジアに先に入って市場シェアを取ってしまえば、国内と同じパターンでいける。現在の株価を使って海外の有名食品メーカーと資本提携しても良い(株式交換)。
マレーシアネタであと少し紹介しようと思っています。お楽しみに!